90年代の終わりごろだと思うのですが、下がり続ける土地価格に嫌気が差したのか「賃貸派」という言葉が流行って以来、持ち家より賃貸のほうが経済的に賢いといわれるようになったのですが、本当のところどうなのでしょう?
まず、考えなければいけないパラメーターは、次の6つです。
- 不動産のインフレ率 0% (面倒なので無視する)
- 賃貸物件の表面利回り 5% (一戸建ての場合は低めになるような気がする)
- ローン金利 4% (今は固定金利でもこの辺りが上限?)
- 貯蓄利回り 4.5% (株式投資や海外投資でがんばってみる)
- 頭金 0円 (後で考える)
- ローン支払い期間 30年
計算対象とする物件は、次のものを想定します。
- 庭付き一戸建て 5000万円
- 土地 100平米 3800万円 (坪単価 約125万円)
- 建物 100平米 1200万円 (坪単価 約40万円)
表面利回り 5%なので、この物件を賃貸で借りる場合は、月約20万8千円になります。それに対して、持ち家の場合の月々のローン支払いは約24万1千円になります。なので、賃貸の場合はこの差額の分だけを複利で積み立てすることで資産形成することができます。貯蓄利回り4.5%で30年間積み立てすると、資産は約2390万円になります。
一方、持ち家の場合は家が資産として残ります。インフレ率を考えないので、建物を完全に償却した後の残価は土地の価格になって、これを更地で売却することを考えると、建物の解体費用や売却手数料で500万円かかるとすると、3300万円になります。
この計算だと、持ち家のほうが約910万円お得ということになります。
最初のパラメーターを見てみると、
- 不動産のインフレ率 - 高いほど持ち家が有利
- 賃貸物件の表面利回り - 高いほど持ち家が有利
- ローン金利 - 高いほど賃貸が有利
- 貯蓄利回り - 高いほど賃貸が有利
という関係があることがわかります。最初のパラメーター設定は賃貸有利になっているで、この計算で無視した諸費用の事を考えても、大幅に土地価格が下落しない限り、持ち家有利は確実のようです。
どうしてこういうことになるのかと考えてみると、賃貸物件の表面利回りが高いところがポイントなのではないかと思います。賃貸物件は空室率や管理費用のために表面利回りが高めになる必要があるのですが、そのせいで賃料が不動産価格に比べて高めになって、結果、持ち家のほうが安上がりになるのではないかと思います。
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